点つなぎが苦手な子に有効な支援方法を3つ紹介

視覚認知のトレーニングとして、点つなぎはよく知られています。

しかし、実際にやってみると、点つなぎ課題が苦手なお子さんが結構、多いです。

※苦手だから取り組んでいるので、考えれば当たり前なのですが(笑)。

そこで、今回は苦手な子のためのシンプルな支援方法を紹介します。

それは3つあります。

  • 見本を指、または鉛筆でなぞってから、作成する
  • 写真のように一行おきにマーカーで点に印をつける
  • 苦手な線や形だけ、見本と書く用紙にマーカーで印を入れる

1.見本を指、または鉛筆でなぞってから、作成する

発達障害の子達に多いのは、作業の手順がイメージできないというものです。

ですので、作業を行う前に見本をなぞることで、手順のイメージを持たせてあげます。

このような支援方法をリハーサルといいます。

なぞった時と、本番の用紙に書くときに手順が変わってしまう子もいますが、もともと、手順を考えたり覚えたりするのが苦手な子です。

あまり厳格にやる必要はありません。

2.1行おきにマーカーで印をつける

これにより、全体の位置が分かりやすくなります。

特に、点つなぎが苦手な子は、書き始めなど、位置自体がずれてしまうことがあります。

それを防ぐ効果もあります。

それでも書き始めがずれる子には、最初の書き始めだけ、違う色で印をつけてあげると良いかも知れません。

写真は実際の点つなぎが苦手な子が作成したものです。

3.苦手な線や形のところに、見本と書く用紙にマーカーで印をつける

これは事前にその子の苦手な傾向が分かっているときに有効です。

大抵、点をとばして結ぶようなナナメ線が苦手な子が多いです。

そういったところに書き始めと、終点に印を入れます。

また、苦手な線を最後に描くようにすることで、他の線が目印になって描きやすくなります。

シンプルな支援方法こそ有効

いかがですか。

これだけの素朴な支援で、格段にできるようになる子がいます。

 ウルトラC的な支援方法も魅力的ですが、支援現場でその子に効果的なのは、このような素朴な支援に気づき、それを継続することだと思います。

(段階的に支援を軽くしていくことも含めた支援方法の流れの中で)。

ほんのチョットの簡単な支援を積み重ね、組み合わせていくことで、ウルトラC的な効果を生み出すこともできると感じています。

写真の事例の子どもの、その後の変化

 この子は最初、線の書き始めも間違いまくり、形もグチャグチャになっていました(写真を見たら、戦いの後が分かりますね(笑))。

しかし、このマーカー作戦を始めてから、自分で間違いに気づき修正することが増えました。

そして、何と、最近では自信がない線を書くときは、自分で薄い線を引いて元絵と比較するという、自分にあった支援方法を自分で発見し、始めたのです。

見通しを持って作業に取り組み始めたのです。

アセスメントにも使える点つなぎ

 点つなぎは、目と手の協応など学習に直接つまづきのある部分のアセスメントツールとして使えます。

例えば、漢字を書いたり、図形が苦手な子は、実際に点つなぎで間違えるケースが多いです。

たとえば、ある有名な心理検査では、この部分がすっきりせず、私も補完的に視覚認知検査をやったり、点つなぎを利用しています。

そのようなアセスメントツールとしても積極的に点つなぎを使って行きたいと思います。

プランニングや学習機能も、点つなぎでトレーニングできます

 点つなぎは、見本を見ながら描いていきますが、どこから描いていくかは自分で選択できるため、プランニングを育てることができます。

ずっと続けていると本人なりに書く順番を工夫してきます。

その瞬間をほめてあげましょう。

また、特に線対称な図形で、左と右と書き方が変わって進歩しているなら、学習機能という認知能力を使っています。

学習がなかなか積み上がらない子は、この「学習機能」の認知能力が苦手なので、そういう場面を見たら、ほめて、本人に気付きを与えていくことが「学習機能」を高めていきます。

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投稿者プロフィール

内田 雄二
内田 雄二
発達障がいの子どもを天才に輝かす専門家。
上郷個別教室GIFT代表。

今まで直接教えてきた生徒は2000名以上。認知能力トレーニングと支援教材という、独自の手法で、発達が気になる子ども達の能力開発を行っている。

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